「カワイイ」「楽しい」だけではない有賀明美さんのウェディン…
一つのミスも許されないウェディングプランニングだからこそ、感動を分かち合える素敵な仕事
「カワイイ、楽しい」だけじゃない、伝えたいメッセージを発信する心のこもった式をプロデュース
―芸能人や有名スポーツ選手のウェディングを多々プロデュースし、オリジナルウェディングの先駆者でもある有賀さん。有賀さんにとってウェディングプランナーとはどんな仕事でしょうか?
結婚式は世の中の影響を大変受けやすく、東北の震災後は「絆」が重要視され、温かみのあるハートフルな式が求められました。現在はSNSに掲載するために「カワイイ」「楽しい」「オシャレ」を演出し、最近よく使われる“インスタ映え”する式をしたいという人が多くなっています。しかし、結婚式はこの日にだけしか伝えられないこと、目に見えないものを伝える大切な機会です。カワイイ、楽しい式も良いのですが、お二人としっかり向き合い、本人たちはもちろん、招待された人の心にも残る深みのある式を創り上げていくのがプランナーの大切な使命だと思います。
人に負けない自分だけの“武器”を見つけよう
―プランナーに向いている性格や人柄はどんな人でしょうか?
私はこんな人が向いているというものはないと思います。コミュニケーション力が高く、おもてなしの心にあふれ、発想力の豊かな人が理想なのかもしれませんが、人前に出るのが苦手、話下手という人も決して悲観することはありません。みんなとは違うその人だけの『武器』を持つことだと思います。
たとえば話下手の人でも、絵がうまいという武器があれば、お客様に絵を描くことでアピールができます。また、楽器が弾ける、ダンスが踊れる、子どもをあやすことが得意、何でもいいのです。できないというマイナス面にばかり目を向けず、何ができるかというプラス面に目を向けそれを武器にしていくことです。そのような武器を持っていなければ、是非学生時代に身につけるよう努力してみてください。きっと何かあるはずです。
―プランナーになるため、他に何かやっておいたほうが良いことはありますか?
私の場合、女子高、女子大で、仲の良い友達とばかり日々過ごしていたため、プランナーになった当初、自分と環境の異なる人や趣味趣向が大きく異なる人と話し、理解することがとても苦手でした。特に年配の男性とは何を話していいかわかりませんでした。それを克服するために、あえてタクシーの運転手さんに話しかけて、コミュニケーションをとるようにしました。
日頃から、普段話さない人や苦手なタイプのクラスメートに話しかけることで相手を観察したり、相手に合わせて話題を探したり、言葉を選ぶなどの訓練ができ、コミュニケーションのスキルを身につけることができると思います。
会話の中に見える“本音”をしっかりキャッチしよう
―プランナーにとって大切なことは何ですか?
なにより洞察力だと思います。結婚式は2時間半に何百万円を投資する、人生の中で家や車の購入に次ぐ大きな出費です。家や車は後に残りますが、結婚式は一生に一度の思い出作りです。ですから100%のモノを創るのが当然で、99%では許されません。そのためには、お二人とのプランニングの中で、何を求めているか、どこを強調したいか、誰に対して思い入れを感じているかなどを言葉の端々や目の輝きなどから細かく察する必要があります。
ご新郎、ご新婦、そしてご家族の目に見えない心の奥の思いを引き出し、ご提案できた時、120%の感動を分かち合うことができるでしょう。
株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ
ウェディングプランナー
有賀 明美さん
株式会社テイクアンドギヴ・ニーズ勤務。「結婚式にサプライズ」という新しい概念をつくりだした「オリジナルウェディング」の先駆者で業界のカリスマ。18年にわたり1000組以上の国内外のウェディングを監修・担当。